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おもちゃ屋誕生秘話 おもちゃ大好き〜♪

「おもちゃ大好き〜♪」の私が気がつけば、自分自身でおもちゃ屋さんを開店することになってしまってそろそろ1年半が過ぎます。そのきっかけをくれたのは、通訳の仕事でニュールンベルグの国際おもちゃ見本市を訪ねたことからでした。今回は、駆け出しのおもちゃ屋誕生の秘話をご紹介いたします。

まずは、ドイツとの関係から…。

毎年、2月〜3月の時期にドイツへ出かけることが多い私ですが、それはかつて留学していたミュンヘン大学の医学部・社会小児科の研究員として、今もドイツの治療教育の臨床現場に立ち会う機会を頂いているからです。もう、大学を卒業してから何年も、いえ、何十年も経っているのにも関わらず、今でも訪独の機会があるごとに最新の医療現場や教育現場に遭遇できるチャンスをいただけるのは大変ラッキーなことだと思っています。
学生時代のころと同様に現場に入って事例研究や発表をしたり、ときには恩師とも白熱した議論を展開したり…と、ドイツに戻るたびに、学生モードにスイッチが入るから不思議です。
病院や治療現場だけに限らず、ドイツの幼稚園や学校などの現場でも、実際に子ども対応をさせてもらえるのはありがたいことで、現場を視る=観察できることから実体験しながら継続して学べるチャンスが今でもあると思って感謝しています。

このように現場を通して『教育環境』を考えることをやり続けたことが、自分自身の学び方のスタイルを作り上げてきたようにも思っています。ただし、「ええっ、また、ドイツですか〜〜?」と、スタッフはじめ、周りのみなさんからは少々あきれられていますが、それでも、そんなことにもひるまず、我が道を行く〜!の私は、留学時代を含め日本とドイツを30年以上行ったり来たりするうちに、すっかり「おもちゃ」の魅力にとりつかれてしまったのです。

何で「おもちゃ〜?」と問われたら…。

私の大好きな「おもちゃ」とは、遊ぶことだけに終わらず、広い意味で私たちの生活を支援するものと考えています。例えば、あそんでいるだけで、自然な形で言葉やコミュニケーションにつながる具体的な体験を可能にしてくれたり、年齢や経験にも囚われず、ひとり一人の持っている課題にも向かいやすくしてくれるなど…、本来、「おもちゃ」は、そのとき、その人にとって一番必要なことに寄り添うことができる道具ではないかな〜と思っています。

握ったり、引っ張ったり、伸ばしたり…と、単純ではありますが、「おもちゃ」と一緒にいるだけで、それぞれの身体の動きの中にわき起こってくる、その人なりの変化が見えてくるきっかけが、引き出される働きを担ってくれているのです。もう少し専門的に言うと、例えば、身体的な課題や機能的な課題を持つ人であっても、「おもちゃ」は、その人の状態に寄り添いながら、動かしにくい身体にも負担なく、潜在する力を引き出していくきっかけを創り出してくれるのです。
触れたり、臭いを嗅いだり‥‥と、思わず手が出てしまうその瞬間を見逃さずに、その人を知る大切なきっかけがそこに生まれるのです。そしてさらに、「おもちゃ」は、触れること、手に持つこと、操作することが自然にできるからこそ、生活を支援する道具としての無限の可能性を引き出せるのです。要するに、「課題」が、その人の特性に変わる瞬間を見つけるのが、「おもちゃ」の大きな役割だと思います。

カウンセリングを通し治療者として関わる私たちは、どうしても、目の前にいる人の、できているか否かを判断の基準にしがちですが、「おもちゃ」は、どんなときにも、その人が幸せかどうかに心を寄せているように思うのです。
従って、自分自身の専門の仕事の上でも、「おもちゃ」が人に寄り添う姿から学ぶことがたくさんあります。

最後に何で「おもちゃ屋」なの〜と問われたら…。いま関わっている子どもたちの日常の課題を、「おもちゃ」との出会いから発見することがたくさんあります。それは、不器用だったり、単純な繰り返しが苦手だったり、大切に使い切ることに心が全く向いていなかったり…など、あそびを通して子どもたちの生活を振りかえることは、大事なときかも知れない〜と、考えます。

難しいことではなく、ゆったりと子どもたちがあそんでいる姿を見守る大人が育っていくためにも、「おもちゃ」が、そんなきっかけにもなれればいいな〜というのが、私の夢です。
あそびに来てくれる場としての存在、そしてさらには、子どもたちの成長に寄り添っていけるための準備など、「おもちゃ」が教えてくれるたくさんの発見を、これからも少しずつつないでいくことができたらいいな〜と願っています。

「おもちゃ」大好き〜!!
ゆっくりと必要なだけの時間をかけ、最高にゆかいなおもちゃ屋さんが、私たちのところで育っていくことをたのしみにしています。

〜たちのゆみこ〜