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「日本食が世界一!」ー 日本美・先人たちからの知恵と教え ー

さすがに11月の声を聞くと朝夕の冷え込みが違います。
季節の移り変わりと共に、街中の色合いまでもが少しずつ変わってきたことにも気がつきますね。
  そして、いよいよ、待望の「食欲の秋」到来です!

ところでみなさんは、「世界三大料理」と言えば、どんなお料理をさしているか、ご存知ですか?
まずはじめにフランス料理、そして中国料理、トルコ料理が「世界の三大料理」だと言われています。
言われてみれば、なるほど・・・と納得するものの、日本人の私としては、『日本料理が世界一!』と心の中で思っているのですが、みなさんはいかがでしょうか?

とりわけこの季節は、秋の紅葉などを楽しみながら日常の忙しさから解放され、思いっきりゆっくりと時間をかけて、静かな雰囲気の中で和食を味わえるのは、最高の贅沢かもしれない・・なぁ〜んて思うのですが・・??!!

そこで、今回のメリーキッズでは、日本料理の美の集大成と言われる「懐石料理」のお話を、食欲の秋にちなんで、ちょこっとみなさまにお届けしたいと思います。

大好きな美味しいものでも思い浮かべながら、しばらくおつき合いいただければうれしいです。

さて、まず言葉の音は同じですが、字で書くと違う「懐石料理」と「会席料理」の二種類がありますが、「懐石」はお茶が主体で、「会席」の方はお酒が主体になり、双方の趣や、もてなし方にそもそも違いがあるということです。

字の通り「懐石」はその昔、修行僧が空腹を癒すため懐に温石を入れ暖めて凌いだという故事に由来しており、懐石の基本は簡素な一汁三菜だと言われています。

しかし、今では簡素どころかずいぶんと豪華になっています。種類も多く、「懐石料理」の料理が出る順番は、

1)飯(めし) 2)汁物(しるもの) 3)向附け(むこうつけ) 4)椀盛(わんもり) 5)焼き物(やきもの) 6)強肴・預け鉢(しいざかな・あずけばち) 7)箸洗(はしあらい) 8)八寸(はっすん) 9)香物(こうのもの) 10)主菓子(しゅがし)の順で、1〜5までを一汁三菜と呼びます。

一方、「会席料理」の場合には、出される順番はお酒が主なので、1)と2)が、あとになるのと、「先附」というひとくちで食べられる肴が最初に出てくることが多いようです。

懐石の一汁三菜は、「さぁ炊き上がりましたよ、はじめましょう」の一つ盛り、あるいは一文字盛りの少量の飯からはじまり、味噌仕立ての精進ものの汁物、幕開けの花である一塩つくりやなますが、お膳の中央向うに置かれる向附け、メインディッシュともいえる季節の魚や鳥類、すり身などをすまし仕立てにした椀盛、香ばしく焼きあがった塩焼や照焼、幽庵焼きなどが登場します。

そしてまた、日本料理ではご存知のように、四季折々の旬の食材だけでなく、器の絵をじっくりながめているだけでも季節が感じられるように工夫された趣向があります。
これらお料理の特徴を総して、日本料理の世界には天、地、火、水、風があると言われています。
自然の設えにたとえるなら、それは日本庭園の作りに相通じると言われますから、その隠れた自然美と奥深さにびっくりします。
そうそう、お正月に食べる京漬け物の代表、「千枚漬け」の樽詰めの由来も、もともとは京都御所のお庭にあるそうです。
例えば、かぶらの真っ白な部分は御所のお庭に敷き詰められた白砂を表し、かぶらのまわりを囲んでいる緑色の壬生菜は、御所のお庭にある松をイメージしているそうなのです。
いかがでしょうか?? なるほど〜と感心することばかりですね。
またさらに、味噌仕立ての汁物は大地の「地」の色であり、山にある栗や松茸など秋の実りがあちこちにお目見えします。
すべてのお料理は、まさに「火」と「水」のコラボですし、柚子などの香りがやさしい「風」となってくれます。
それでは、「天」はどこにあるのかというと、庭園の中央にある池のイメージと重なる椀盛でしょうか。
椀盛はすまし仕立てであることが多いのですが、庭に池があるのは池の水面が、「天」を映し出す鏡の役割になっていて天を地に下ろしているという格好です。
何とも素敵な設えですね。
自然と宇宙を表現しているかのような、私たちの日本料理は、やはり「世界一」かもしれませんね。

世界にはいろいろな珍味や調理法がありますが、もてなしの設えに雄大な宇宙観が潜んでいるなんて、さすが、これこそ日本美の集大成でしょうか?

さらに、おもてなしをするときには、利休七原則から『夏は涼しく、冬はあたたかく、炭は湯のわくよう、花は野にあるよう、刻限は早めに、降らずとも雨の用意、相客に心つけること』という心配りを忘れないように!と言われています。

おもてなしとは、「その人の、そのままが、相手に伝わること」というのが、先人たちからの教えなのでしょう。
長い時代を経て、今なお伝えられているおもてなしの中に、たくさんの教えと知恵が潜んでいるからこそ、日本料理を楽しむたびに、その隠れた設えに触れられる瞬間がうれしいのではないでしょうか。

あらあら、ずいぶんと長い前書きなりましたが、みなさんどうぞ、心ゆくまで秋の味覚を楽しんでくださいませぇ〜♪

〜たちのゆみこ〜