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一年の計は元旦にあり「プロクラスティネーション」って何??

2012年が明けました。辰年の今年はどんな幕開けだったでしょうか??
そう言えば日々の暮らしの中でいろいろな出来事が起こりますが、その度、私たちは片づけるための優先順位を決めて取り組んでみた結果、決して忘れてはいけないもの、やり過ごしてしまうことができない大事なことがたくさんあることに気づくことができます。
そこで、今年初めての「めーるきっず」通信では、そんなこんなの日常に少し目を向けてみようと思います。
「ちょっと厳しい〜!」と感じる方もあるかもしれませんが、最後までおつきあいください。

●「先延ばし症候群」の心理
日常の忙しさを理由に、本来すぐにやらなければならないことや頼まれたことがあるのに、ついつい他の気にかけていた作業をしてしまったり、娯楽の誘惑に負けてそちらに走っていたり、最悪、「うーん。後でいいや」とすべきことなのにそのもの自体を後回しにしてしまっていること、ありませんか?
こんなぐずぐずと先延ばしにする現象を心理学の用語で「プロクラスティネーション」というそうです。カルガリー大学の経済学者スティール氏は、このプロクラスティネーションを「遅れによって状況が悪くなることが予測されるにも関わらず、予定していた行動を自発的に遅らせること」と定義しています。
なんと近年、成人の15〜20%は、この「明日やればいいや」式の困ったタイプだそうですが、身に覚えのある方は??
またさらに、2007年にスティール氏が行ったメタ分析(分析の分析)によれば、大学生の80〜95%はこの先延ばし癖に苦しめられているとのこと!〜と言うことは、世の中的にみればこれって ほとんどの人に当てはまるってことと、この記事を読んでハットしたのですが、みなさまいかがでしょうか??
要するに、あまり重要でない仕事を後回しにするよう優先順位を考えてスケジュールを組むこととは別に、「より重要でより切迫した仕事を結局は後回しにしてしまっている…」ならば、たぶんそれはプロクラスティネーターであると考えていいそうなのですが、いかがですか?

●「脳」と「状況」のバランスについて
スティール氏と同様に、心理学者でプロクラスティネーション研究グループ長のピチル氏は、「先延ばしは後天的(環境)に学習される習慣だが、生まれつき(遺伝)の性格特性が、
その人が習慣をみにつけやすいかどうかを左右する。先延ばしは「脳」と「状況」とのバランスで決まる」と、述べています。
また、科学ジャーナリストによるとこんな説もあります。
「プロクラスティネーションは人類の登場と同時に始まったと考える。農業社会に生きる人々にとって、食物の植えつけの遅れは飢餓につながり、生命維持の危機に直結する可能性があったから、紀元前800年にギリシャの詩人のヘシオドスをはじめとする私たちの先祖は、プロクラスティネーションを犯罪や怠惰と同一視し、忌み嫌ったのである。ところが、産業革命がもたらした産業社会における技術の進歩により、人々は嵐や飢饉の脅威から守られるようになったばかりでなく、余暇や商品が増え、活動の選択肢が増えた。現代社会はふんだんに娯楽を提供する。自動車や飛行機でいろいろなところに行ってさまざまな活動ができるようになったことはもとより、コンピューターゲームにテレビ、電子メールや携帯メールなどが私たちを誘惑して仕事をさぼらせるのだ」と。このように人の歴史をひも解くと、人間の行動原理までが透けて見えてくるという訳です。
しかし、近年の豊かさがその起因としてあるというのは、何とも皮肉です。

●「先延ばし症候群」の特性について
では、「先延ばし」してしまう現象の具体的な原因や特性とは、いったい何なんでしょうか?
[1]自分の目標を達成するためのプランが生活の中にない
[2]報酬(達成感)を得られるまでの時間の長短により心理が左右される
またこの他にも、性格特性によっていくつか考えられる原因があるようで、5つの性格特性とは、
 1.誠実性
 2.協調性
 3.情緒安定性(神経質傾向)
 4.開放性
 5.外向性
そのうち最も強く関連するのは1の「誠実性」だそうで、誠実な人は基本、責任感が強く几帳面で勤勉家ですが、反対に誠実さに欠けている「不誠実な人」は、先延ばし傾向は当然のごとく強くなります。また同様に、「衝動的な人」も先延ばしすることが多いそうです。その理由として、衝動的な人は意思が弱いためさまざまな誘惑にも負けてしまうからとのこと。また、3の「神経質な人」の性格から生じる不安に由来する原因も考えられます。先延ばしにする詳しい原因として、
▼失敗するのではないか?
▼最終的に誤りをおかすのではないか?
▼成功することへの恐れ?
などが挙げられますが、しかしこれらは、幸いにも環境や個人差によっても左右されることがあるようです。それぞれの性格特性を調べると人の裏の心理を読み解くことができ、以下の3つの型にあてはめられるパターンがあります。
【1】回避型プロクラスティネータ
任された勉強や仕事が上手くできない気がするため、「気分良く」したくて避けてしまうパターンの人。
【2】優柔不断型プロクラスティネータ
勉強や仕事を実行する決心がなかなかつかずに、あれもこれもと目移りしてしまうパターンの人。
【3】奮起型プロクラスティネータ
自分はプレッシャーがかかったときにもっとも実力を発揮できるし、締め切りギリギリに猛ダッシュすることが好きだという先送りすることにより「ピーク」や「フロー(物事に集中して完全にのめり込んでいる苦しい状況下であたかも成功しているかのように感じる幸福的な精神状態)」が訪れると信じているパターンの人。

特に3は、ギリギリにならないと奮起できない人が多いと思われますが、果たして本当に物事を成功に導けるのでしょうか?
ここには残念な結果がしばしばあります。

要するに、「締め切りが迫った土壇場のプレッシャーが自分には必要なのだ」と信じることで、ぐずぐずしている自分に言い訳していることが多いそう。また、仕事がそれで万が一出来が悪かったときの言い訳のためにも、わざと仕事を遅らせる人もいるそう。
こういう人たちは、たいてい、「もっと早く始めたら、もっと上手くやれたんだが」と、自分や他人に言い訳をするとのこと。いわゆるそう言って精神的に弱い自分を守っているのかも。
しかも、その悪しき習慣を断ちたいと自分で思っていても、先送り癖はなかなか抜けきれないそうです。

●「先延ばし症候群」の解決策とは?
なんだかんだ言ってますが、実は解決方法は至ってシンプルです!!
【解決策】特定の行動をどこでいつどのようにして実行するか?
事前に細かく明確に計画し、指定する!
例)明日の朝7時30分に大阪駅に到着し、7時42分発の環状線に乗り○○に行く、課題の論文に関連する書物を書店で3冊ほど買い、目につくよう机の上に置き、締め切りの2日前までに提出する、など、要するにこの細かくかつ明確な「実行目標」を作るか、作らなかったかによって、最後までやり通す可能性が極端に違ってきたと実証するデータがあるそうです。

世の中に締め切りがあるからこそアーティストが生まれたりドラマが生まれるという説を聞いたこともありますが、今は巷に情報や娯楽が渦巻きあらゆる雑念が入りやすい時代です。
社会で生きて行くためには締め切りを守ることは必要不可欠。
ここで、すこしでも自分が『先延ばし症候群』と感じていらっしゃるのなら、『先延ばし症候群』が癖になる前にぜひ冷静に自己分析し、明確な解決方法を生活の中に活かし実行していくことが大事だという訳です。

新年早々、難しい話になりましたが、「一月は行く、二月は逃げる、三月は去る」と言います。
「一年の計は元旦にあり」今年こそ、計画倒れの一年になりませんよう心よりお祈りします。

たちのゆみこ