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厳冬のドイツ旅報告 Kalt /ドイツ逸話で「寒さ」を乗りきりましょう?!

年末〜年始の穏やかだったヨーロッパの天候とは違って、今回の訪独では滞在中ず〜〜〜っとシベリヤ大寒波停滞のため、連日マイナス気温に見舞われているドイツでした。

今回もまた、毎年恒例のニュールンベルグ国際おもちゃ見本市訪問がメインの訪問でしたが、この時期は滞在が許す限り毎年ミュンヘンの大学にも足を延ばし、留学時代にお世話になった恩師を訪ねて情報交換できるのが楽しみなドイツです。

しかし、この時期のドイツのお天気は尋常ではありません。
覚悟はしていたものの連日のマイナス気温、だんだんと慣れていくとは言っても、さすがに「寒い!!」の毎日でした。

笑い話みたいですが、「明日の最低気温はマイナス11℃、最高気温はマイナス4℃でしょう」という天気予報を聞くと、「あぁよかった、明日は暖かくなる〜!」と、ひと安心してしまうレベルの寒さです。
激寒の中、ドイツの友人が言うまま保湿成分たっぷりのリップクリームを厚ぬりして街に出たところ、リップクリームが凍って上下の唇がくっついたためか、思うように口が開かなくなったという、不思議な体験を味わった次第です。

また、こんな寒さの中でもドイツの街の風物で、いろいろな朝市が街の広場に並びます。
そこには新鮮野菜や色とりどりのお花など、眺めているだけでも気分がうれしくなるような風景を見ることができますが、ときどき広場のあちこちから「ボォ〜ン・ボォ〜ン!」と言う怪しい破裂音が聞こえてきます。
この音は何かというと、市場に並んだビールが、寒さに耐えかねて爆発した音です。何てたって外は冷蔵庫よりも冷たいのですから、膨張したビールの栓が寒さに耐えかねてドカァ〜〜〜ンと爆発したという訳です。
しかし、陽気な市場のおじさん達は、爆発のたびにニコニコしながらビールの後始末を楽しんでいるようでした???

さて、そんな寒波来襲のおかげか、ドイツ滞在中にテレビやラジオで毎日のように耳にしたのが、「Eis(=氷、アイス)」「kalt(=寒い、冷たい)」というドイツ語単語。

どちらの単語も、厳冬期のニュースから流れてくるだけでなく、ドイツのことわざや慣用句にもひんぱんに登場します。
たとえば、「心が冷たい人」「薄氷を踏むがごとく」「手が冷たい人は、心が温かい」などは、ドイツのみならず、日本でもおなじみの言い回しでしょうか。

そこで、今回の「めーるきっず通信」では、連日の寒さにちなんで、「冷たい」についてのユニークな表現をいくつかご紹介してみますので、おつき合いください。

まず、実際に触ってみてたいへん冷たい様子を、「まるで犬の鼻先のように冷たい」といいます。また一方、同じ「冷たい」でも、比喩的に「冷たい」という意味では、「あの人は、魚のように冷たい人ですね」とも。 「冷血人間」という単語はドイツでも使われますが、そもそもこの表現は、常に沈着冷静な行動をとれる人への賛辞であったものが、時代とともにネガティブな意味へ変遷していったもののようです。

ところで、ドイツ人が「足が冷たいよ!」といえば、たいへん緊張したり、怖じ気づいている証拠とか。また同義の表現で、「いかり氷の上にお尻をのせる」という言い方もあります。
この「いかり氷」と言うのは、海底に固着している氷のことですから、水に潜って海底の氷の上に座らねばならないなんて、怖じ気づくのも無理はありません。但し、同じ氷でも、「この一件は、氷の上に横たえましょう」といえば、「とりあえず、一時保留にしましょう」の意味になるそうです。
そのまま永遠に凍りついてしまわないといいのですが、とりあえずはということで、さてさてどうなるか〜ですね。

いろいろな「冷たい」の持つ意味と言い回しですが、文化は違えど一様にハッとしますね。

最後にもうひとつユニークな表現として、ドイツ人が「相手に、冷えきった肩を見せつける」と言うときは、「相手にまったく興味や関心がないこと」の喩えのようです。
また最近では、英語の「Cool」=クールを、冷たいだけでなく、カッコいいと言う意味で、ドイツの若者たちも会話の中で頻繁に使っています。

まだまだしばらくは「寒い」が続く、世界のお天気模様ですが、「寒い」の使い方だけでも、いろいろと発見があるのはおもしろい〜と言うことで、みなさんも「寒い」を上手に使って、乗り切ってくださぁ〜〜い!!

そうそう、もうひとつ余談ですが、今年の究極の寒さからか、ドイツにも「ホカロン」もどきがいろいろと出現していました。
数年前まで、「ホカロン」の効力をいくら説明しても、ただ怪しい物体としてしか理解してくれなかったドイツでしたが、さすがの「寒さ」には勝てなかったようで、今回は「ホカロン」をおみやげで差し出すたびに、笑顔で受け取るドイツ人が増えました。
そう言えば、湯たんぽの小型版のような、何度も暖め直して使うことができるポケットサイズの怪しい小物を、店頭でよく見かけましたが、何てたって持続時間がダントツに違いますから「ホカロン」は、怪しいながらもすごい〜っと言う訳です。

次回、冬のドイツ訪問では、おみやげリストのトップは「ホカロン」になりそうです。

「寒い」からはじまって、とんでもない結末となりましたが、みなさま、少しほっこりしていただけましたでしょうか?

厳冬の日々、ご自愛くださいませ〜♪

たちのゆみこ