『祭事』と言うことばを聞くと、いろいろな年中行事や伝統行事を思い浮かべることができますが、みなさま、いかがでしょうか??
そう言えば早いもので、今年も気がつけば壁にかかったカレンダーが、あと1枚だけになっていますね。
今月の『めーるきっず通信』は、たくさんある日本の『年中行事』に思いを馳せながら、ちょっと早いですが今年1年を振り返ってみたいと思います。
それでは、今月も最後まで、おつき合いよろしくお願いしまぁ~す!
まず最初に、日本人が楽しむ『年中行事』が、毎年少しずつさま変りしていると言われていますが、そんな中での近年の大ヒット行事は、何と言っても、「ハロウィーン」だとか。
今年も都心部では、仮装姿の子どもや若者で、街中があふれかえったとのニュース報道が記憶に新しいですね。
そこで、今回は朝日新聞が実施した世論調査による、いろいろとさま変りしている『年中行事』の中で、どれくらい新しい風習が支持されているのか? また、それに対抗して、これまでの『伝統行事』への認識が、どのように変わってきているのか? などについて書かれた記事がありましたので、みなさまにご紹介します。
早速ですが、記事の冒頭に、「今回のアンケート結果から、新しい風習を敬遠する傾向がくっきり、日本人の傾向として、こと『年中行事』に関しては、やはり多くの方が、『伝統行事』を支持している傾向が強いようです」と書かれていました。
それでは、どのような『伝統行事』が上位を占めたのでしょうか~?
以下、順を追ってご紹介します。
1)初詣
「いつもは神社に行かなくても、やっぱり一年の計は元旦にありなので、なおさら新鮮な気持ちで参拝できる」
「年の初めのけじめです」
2)家族の誕生日
「年位1回、年を重ねる大切な日。お祝いしないと何歳か忘れそう」
「家族みんなの大切な日。大事にしたい」
3)お盆
「先祖供養とともに、自分が存在していることを感謝できる日」
「供養は欠かさない、迎え火、送り火は毎年欠かさない」
4)年越しそば
「食べないと、新年は迎えられない気持ち」
5)お彼岸
「必ず、春と秋は家族揃ってお墓参りに行くようにしている」
6)年始・年賀
「普段交流のない人と唯一連絡がとれるから」
「年賀状は毎年手作りで出す」
7)節分の豆まき
「家族の健康を手軽に願える気がする」
「豆まきが楽しい」
8)結婚記念日
「家庭円満のためにも大切にしている」
「互いに初心を忘れない日」
9)門松・しめ縄
「日本の縁起物、文化として残したい」
10)母の日
「一番、自分にとって大切な人に感謝したい」
いかがでしょうか。近年の『祭事』が、さま変りしていると言われていても、意外に『伝統行事』が、日本人の生活に密着していることがわかります。
回答者からの声を拾ってみますと、「『今年1年幸せに過ごせるように~!』と、神様に祈願して、昨年の嫌なことを忘れてリフレッシュして、気持ちさわやかにスタートが大事」「家内安全のお礼と交通安全のお守りを頂きおみくじを引くのが毎年恒例で、身が引き締まる思いです」ということで、1位には、やはり「一」という数字に縁がある『初詣』が選ばれていました。
続いて2位になったのは、『家族の誕生日』特に女性からの支持で、家族への愛情深いメッセージが寄せられています。
「会えなくても必ずお祝いのメッセージは送ります」「家族の誕生日は、一番うれしい。この世に生まれて来てくれてありがとうって気持ちになる」「これだけは、欠かせない愛情の印です」と。
このように、家族への思いという意味では、3位のお盆と5位のお彼岸も同じなのかもしれませんね。
「お盆は遠くにいる家族が一同に会し、近況を報告する良い機会」「親戚が集まって、先祖の墓参りをしていると、家族っていいな~と改めて思う」等など。
また、調査の結果、特にいらないと思っている『年中行事』は~の問いに、
(1)ハロウィーン(2)イースター(3)ホワイトデー(4)バレンタインデー・・・等
カタカナ文字表記の行事が一斉に並びました。
カタカナ表記の行事を楽しんでいるのが、一部だけの年齢層だったりと、まだ少し偏りがあり、定着するまでには時間がかかるのかもしれません。
もちろん、これは調査の対象年齢にもよると思われますが、「行事の成り立ちを気にせず楽しんでいるならいいのでは~」と考える層と、「商業主義に踊らされていなければいいのですが~」と考える、全く違う二つの層が存在しているのも事実のようです。
ちなみに11~25位までを書き出してみますと・・・。
11)ひな祭り 12)除夜の鐘 13)こどもの日 14)クリスマス
15)おせち作り 16)冬至 17)お年玉 18)七草がゆ
19)大掃除 20)七五三 21)成人の日 22)父の日
23)お月見 24)お歳暮 25)七夕
以上、生活に密着するいろいろな思いと同時に、多彩な『年中行事』が、日本には存在していることが、改めて分かりました。
また、多くの回答者が、一応に設問の「大切な行事を5つまでに縛ってみると~?」の問いに対し、「たった5つでは足りない。季節の行事はすべて大事にしたい」という回答が添えられていたそうです。
さて、今年もあと2ヵ月を切ってしまった2015年。
ちょっと早いですが、みなさまは、どのような1年をお過ごしだったでしょうか??
今年も、悲喜こもごものたくさんの思いが,頭の中をぐるぐると回っているのは、私だけでしょうか?
このように、日本の『祭事』に改めて着目してみますと、そもそも、生活に密着した日常の営みと、四季折々の季節の変化が、『年中行事』には大きく影響し合っていることがわかります。
さらにもっともっと遡って、『年中行事』そのもののルーツを辿ってみれば、そこには、日本文化が、いかにして作り上げられてきたのかまでがわかるのかもしれません。
私たちの衣食住に普通にあったコトやモノの背景を知れば、そこにはたくさんの文化の源流があることにも驚かされます。
そしてまた、先人たちが、これまでも、さまざまな外国からの文化の影響も受けながら、自らの文化との調和と融合の道をたどってきたに違いないだろうと想像したりもします。
『年中行事』は、私たちにとっては,季節を感じ、旬を知り、そして何よりも、すべての営みの基本であると考えることもできるでしょう。
ちょっと飛躍してしまいますが、『年中行事』とは、言い換えれば、古来からの「生活の知恵」だったとも考えられますね。
そして、今回、大切にしたい『年中行事』を振り返ってみて辿り着いたのは「日本の宝もの」だったような気がいたします。
来月は師走、『師も走る』と申します。
年末からドイツに向かって飛べるためにも、私は、今年の残り時間を大切に精進したいと思います。
たちのゆみこ