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ランドセル・今昔物語〜軍用から学用品、そして海外にも〜

2013年が明けて早くも3週間、みなさまのお手元に今月の「めーるきっず」が届く頃には、すでに1月も終わっているかも〜?!ですが、まさしく1月は行く、2月は逃げる、そして3月は去るようで、今年も気がつけばあっと言う間に、時間が経過していくのかも知れませんね。

さて、3年振りに日本でお正月を迎えた私は、年末総選挙で一変した政権の行方を気にしながらも、連日の和食でふくよかになったお腹周りを抱えながら,久しぶりのテレビと読書三昧の静かな至福の日々を過ごしました。

そんなのんびりタイムを満喫していたお正月の新聞で見つけたのが、ちょっと気になる「ランドセル」についてのお話でした。

「ランドセル」と言えば学用品と言うよりは、誰もが当たり前に使っている小学校生活のための必需品というイメージから、まさしく日本の学校風景の描写には欠かせないものですね。

今でも児童の集団登校と遭遇すると、たていの男子は黒、女子は定番の赤を基本に、ピンク、水色、ベージュなど、色とりどりのランドセルがあります。

今回遭遇した新聞記事によると、そもそも「ランドセル」とは、江戸時代に幕府が洋式軍隊制度を整えるさいに、装備を背負う背嚢のオランダ語である「ランセル」(背負い鞄)がなまって、ランドセルになったと言われているそうです。
当初は背嚢用に陸軍で使われていましたが、通学用の現在の形になったのは、皇太子だった大正天皇が学習院初等科に入学される際に、伊藤博文が献上したのが、その原型だったと言う説が有力です。

従って「ランドセル」は、戦前は学習院など、上流階級の師弟が通う学校でのみ使われていたものらしいです。

「ランドセル」が今のように全国に普及して一般的になったのは、昭和30年代以降で、日本の小学生のシンボル的な存在へとなっていったと言うのが「ランドセル」発祥の頃の物語なのです。

さてさて、ここからが「ランドセル」の新しい物語のはじまりですが、今、この極めて日本独自のスタイルで発展してきた「ランドセル」が、内戦で疲弊しているアフガニスタンの子どもたちに使われているという話をみなさんは、ご存知でしたでしょうか??

6年間使用できるように丈夫にできているからこそ、まだまだ使えるはずなのですが、なぜか「ランドセル」は中学生になれば不要品になってしまいます。
それでも、たくさんの思い出が詰まっているからこそ、なかなか簡単に捨てられるものではありません。
しかし、かさばるから家に収納するのも限度があるのも事実で、何か有効な利用法はないだろうか??と言うのがきっかけで、ランドセルの大プロジェクトがはじまったと言うのです。

そのきっかけとは、「思い出がいっぱいのランドセルが捨てられない!!」というある母親からの相談を受けたランドセルメーカーのクラレが、国際協力NGO「ジョイセフ」(代表:明石康会長)と協力して、中古のランドセルをアフガニスタンに送る運動をはじめたのです。

送り手となる人は、ジョイセフの指定口座に海外輸送料1800円を振り込むことで、全国から集積されたランドセルは保管/検品などの手続きを経て、年に2回(春と秋)アフガニスタンに向けて集荷されます。

内戦により、学校が破壊され、荒れ地に座り込んで授業を受ける青空教室が今でも珍しくないアフガニスタンでは、ランドセルは通学用の他に、子どもたちの机替わりにもなっているとか。
また、女子教育が未熟で、「ランドセル」を男女の子どもが等しく背負って通学することで、女子教育への関心が高まる効果もあるそうです。

この運動を当初から担当しているクラレ広報部のスタッフのところには子どもたちにとってランドセルは特別な存在で、6年間毎日使い、ひとつひとつのキズにも思い出があり、いろいろな思いがこもっています。だからこそ、自分の思いが海を越えて運ばれるのはうれしいという、子どもたちからの声がたくさん寄せられているそうです。

軍用から学用品へ、そしてさらに海外の戦乱の子どものもとへと、この運動がはじまった2004年から、すでに10万5千個のランドセルがアフガニスタンに送られ、子どもたちに大事に使われているというお話でした。

〈問い合わせ先〉ジョイセフ http://www.joicfp.or.jp/

のんびり気分のお正月で、なぜか強く印象に残った「ランドセル/今昔物語」でしたが、みなさま、いかがでしたでしょうか?

普段、何気ない生活の中にあって当たり前と、それほど深く考えることが無かったことの意味を知ったときの驚きと、それ以上に、私たちにとっては日常のごくごく普通の風景であっても、国が変われば簡単なことではない事実などなど。
「ランドセル/今昔物語」は、私たちが普通に生きられることへの感謝を、忘れてはいけないことを気づかせてもらったような気がします。

さあ、みなさぁ〜ん、1月が行ってしまいますぅ〜〜!

それでは今年も「めーるきっず」通信、ご愛読よろしくお願いいたします。

たちのゆみこ