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小川仁志著:人生が変わる『哲学の教室』〜あなたのお悩み、哲学がお答えします!〜

今回「めーるきっず通信」で、みなさまにご紹介する1冊は、不思議な体験ができる本です。

著者の小川仁志さんは、この本の冒頭の「はじめに」の中で、こんな風に、この本のことを紹介されています。

『私は、ヘーゲルという200年前のドイツの哲学者の思想を研究してきたのですが、「この人にはもう会えない」という寂しさと残念さでした。そこで、もし、彼らが現代の日本に現れて、私たちの抱える悩みについて、分かりやすく分析してくれたらどんなにおもしろいだろか、考えるに至ったのでした』と。
また更に、『今、先が見えない時代だといわれます。
「何が正しいのか?」「何が幸せなのか?」生きていくうえで重要な問いに対する答えが、見えなくなってしまっているのです。哲学はそこで威力を発揮します。何千年という時間をかけて培われた人類の英知を利用しない手はないのです。
今こそ先人の声に耳を傾けるときではないでしょうか。
(中略)あの哲学者とともに腰をすえて考えてみて欲しいのです。さらにまた、できればただ受動的に読むだけでなく、自分で考えながら読んでいただきたいと思っています。哲学者と対話しながら読んでみることをおすすめします』と。

それでは早速、『哲学の教室』に登場する蒼々たる哲学者たちの名前と授業内容をご紹介をしましょう。

人生が変わる『哲学の教室』 
●1時間目 マルティン・ハイデガー先生(ドイツ 1889〜1976年)
 「生きることと死ぬこと」について
  → どうせ死ぬのになんで生きるの?
●2時間目 ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリッヒ・ヘーゲル先生(ドイツ 1770〜1831年)
 「夢」について
  → 夢や理想を追いかけるのに疲れたら?
●3時間目 イマヌエル・カント先生(ドイツ 1724〜1804年)
 「理性と欲望」について
  → 性欲がヤバイくらいあるのは病気?
●4時間目 モーリス・メルロ・ポンティ先生(フランス 1908〜1961年)
 「悩み」について
  → 何に対してもやる気が起きない・・・悩みだらけ?
●5時間目 エマニュエル・レヴィナス先生(ユダヤ系フランス 1905〜1995年)
 「自分と他人」について
  → 自分って何だろう?
●6時間目 ハンナ・アーレント先生(ユダヤ系ドイツ 1906〜1975年)
 「仕事」について
  → 好きな仕事が見つからないときはどうすればいい?
●7時間目 ジョン・ロールズ先生(アメリカ 1921〜2002年)
 「正義」について
  → 法律が正って誰が決めたの?
●8時間目 プラトン先生(古代ギリシャ 前428/427〜前348/347年)
 「恋愛」について
  → 恋愛できない・・・どうしても結婚しないとダメ?
●9時間目 アラン先生(フランス 1968〜1951年)
 「幸せ」について
  → いつも僕だけ不幸なんですけど〜?
●10時間目 ミシェル・フーコー先生(フランス 1926〜1984年)
 「権力」について
  → 先生も警察もマスコミも、権力ってほんとムカつく!
●11時間目 カール・マルクス先生(ドイツ 1818〜1883年)
 「経済と貧困」について
  → お金儲けは悪いこと?
●12時間目 ジャン・ポール・サルトル先生(フランス 1905〜1980年)
 「自由」について
  → 自由になりたいのに、自由にしろって言われると困る!
●13時間目 フリードリッヒ・ニーチェ先生(ドイツ 1844〜1900年)
 「人生」について
  → いったい人生って何なんだろう?
●14時間目 小川仁志先生(この本の著者 1970年〜)
 「哲学」について
  → 哲学にたどり着けば大丈夫なの?

 

本著の舞台となる、久我伝高校では、これから14日間連続で未明の午前3時から『哲学の教室』が行われることになります。
何とも不思議な体験ではありますが、私たちは、ページを開くごとに、偉大な哲学者たちと対面していくことになるのです。

それではみなさんとご一緒に、そろそろページをめくってみましょう〜♪

ここは私立久我伝高校、街も寝静まる未明の午前3時。

奇妙なことに、授業はすべて夜中の3時から開始され、その授業に集まったのは、それぞれに悩みや問題を抱えた久我伝高校の生徒たちや、主婦、サラリーマンの5名でした。

現代人が抱える多くの悩みについて、哲学者たちは自己の思想を元に、生徒たちの悩みを解決へと導いていく様子が描かれています。

本書を読み進めていくうちに、受講生と哲学者たちの白熱したデスカッション場面に引き込まれます。
また、受講生が学生だけではなく、サラリーマンや主婦などと、それぞれ立場が異なることで、参加者の悩みに自分自身の悩みを重ね合わせることもできます。

例えば、サルトルの「自由」についての講義で、『ランチに何を食べても、どんな映画を観に行っても自由ですが、夜中に突然、大声で叫んだり、仕事の途中で手抜きをしたりすると、法律で規制されなくても、そんなところで「自由」にはできないことは、誰もが分かっていることです』。
そこで本書では、改めて「自由」とは〜と考えてみると、他者への配慮があってこそが、自分への自由を保障することではないだろうかと説いていきます。
「自由」というのは、決してわがままに何でもし放題ということではなく、むしろ他人への配慮をしながら生きることになるのです。えぇ〜っと、それって「自由」??・・・。
そして、サルトルとの議論は、まだまだ続いていきます。

何事においても深く解釈を進めていくことは大切なことです。
すなわち、「哲学」の世界を開くとは、身近なテーマから、大きなテーマへと思考を深めていくことを指し、その道中で「哲学」が、威力を発揮する人類の英知なのだと気づきます。

悩みと向き合うということは、すなわち「自分」と対面することです。どれだけ時代が変わっても、普遍的に人類が抱える悩みが変わらないのであれば、この英知を利用しないのはもったいないというのが、著者である小川先生のすすめです。

仕事、恋愛、生きる・・・。
誰にとっても人生で間違いなく、重要なテーマを考えることになったとき、「哲学」が、その助けになってくれる可能性が多いにあるということに、気づくことも大事です。

自分だけの都合で、浅いところでぐるぐると考えていても、とうてい望む答えは見えてこないでしょう。
だからこそ、哲学者たちの英知に耳を傾けてみれば、そんな窮地にも一筋の光がさすことがあるかもしれないのです。

本書の最後に、授業を終えた受講生たち5人の様子が書かれています。

『すべての授業が終わり、悩みを抱えていたみんなは「哲学」に救われたようだった。優等生のTは、自信を持って先生に考えを主張できるようになり、自身の将来の夢も、より明確になった。
恋愛恐怖症だったUは、恋愛どころか結婚願望まで抱くようになり、交際もうまくいき、一度あきらめたダンスもまた再開している。サラリーマンのHは、少し前向きになり、仕事におもしろい部分を探そうと努力しはじめ、仕事に関連した資格も取ろうとしている。
主婦のNは、またメイクをするようになった。夫や子どもとは相変わらずケンカもするが、それも幸せの一つかなと・・・。
最後に悩み多きKは、久我伝高校の『哲学カフェ』には、絶対来いよ〜と、どうやら、みなそれぞれに「哲学」たどりついたようだ。
さて、あなたの人生も変わりそうだろうか。また、人生に迷ったら、この教室を思い出してほしい』と。

ただ行き当たりばったりに悩むだけの自分から、「哲学」の助けを借りながらも、じっくりと理論的に考えてみることで、ものごとの本質を突き止めて「納得」する・・・、そんな新しい自分と出会える『哲学の教室』体験、みなさまも、いかがでしょうか〜??

たちのゆみこ